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レモン市場

 今日は、お客様邸の引渡しでした。今回の住宅を建てさせていただく前からお店を数店舗工事させていただいたお客様で本当に永いお付き合いをさせていただいております。
 今日の引渡しの後でお客様から「レモン市場」という言葉を知っていますか?と言われ、全く知らなかった私に意味を教えていただきました。
 レモン市場について最初に取り上げたのはアメリカのジョージ・アカロフという経済学者で中古車市場で販売された中古車は故障しやすいと言われるメカニズムを分析されたそうです。売り手側は取引する財の品質は良く知っているが、買い手は財を購入するまでその財の品質を知ることはできないので情報の非対称性が存在する。そのため、売り手は買い手の無知につけ込んで、悪質な財(レモン)を良質な財と称して販売する危険性が発生するため、買い手は良質な財(として出回っている物)を購入したがらなくなり、結果的に市場に出回る財は悪質なレモンばかりになってしまうという問題が発生する。
 例えば市場には、高品質のレモンと低品質のレモンが、それぞれ半々の割合で存在しているとします。売られているレモンの品質を熟知している売り手は、高品質のレモンは300円以上、低品質のレモンは100円以上ならば販売してもよいと考えているとします。
しかし買い手にとっては、売られているレモンの正しい品質を判断することは困難であるため、買い手は半分の確率でレモンが低品質であると考える必要がある。そのため買い手にとってのレモンの価値は、高品質な場合の300円と低品質な場合の100円の平均である200円となる。したがって、買い手は200円以上は支払いたくないということになる。
逆にこのことを予想する売り手は、200円より高いレモンを市場に出すことを諦め、それ以下のレモンだけが取引されるようになる。これによって、今度は買い手が支払ってもよいとする平均価格も150円まで低下し、売り手は150円以上のレモンを市場に出すことを諦める。

結果、売り手は高品質のレモンを売ることができず、低品質のレモンばかりが市場に出回る結果となり、社会全体の効用が低下してしまう。完全な負のスパイラルに陥ってしまう結果になってしまいます。これは売り手にとっても高いレモンが売れずに残り、買い手や市場にも高品質のレモンが出回らなくなってしまい売り手・買い手にとっても不幸なことになってしまいます。

 今日、お客様からお話しいただいたのは、建設業者と施主はその様な関係になる可能性が高いのだから高品質な建物を如何にお客様(買い手)に理解してもらえるかが、存続出来る会社か倒産する会社かの差なのでは…と教えていただきました。(もちろん当社はどんなお客様にも低品質の建物を販売していませんが…)
 今日お話しを聞かせていただいて、以前に何度かこのブログ内でも書かせていただいた今取り組んでいる「見せる化」をやはり進めていかなければ…と確信しました。
 「レモン市場」のお話しをしていただいたN社長様、本当に有難うございました。お仕事をいただいたお客様に本来であればこちらがお客様のためになることやお話しをさせていただかなければいけないのに逆に教えを頂き、本当に感謝しております。040.gif040.gif040.gif
 考えすぎて今日、寝られないかもしれませんが明日からの仕事がまた楽しみになってきました。066.gif

by mizuho-co | 2010-03-07 22:18 | Comments(0)

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